ドイツのエネルギー・環境分野の最新情報をお届け
2026年第3号
目次
ごあいさつ
経済ニュース
環境ニュース
【NEW】旅のすすめ
イベント案内
ごあいさつ
ニュースレターをご購読の皆様、
猛暑や干上がった河川、その一方で豪雨や土砂崩れが起こり、かつては気候変動による遠い未来のシナリオのように思われていたことが、今や世界の多くの場所で現実となっています。つい最近ヒマラヤでは、氷河の融解により壊滅的な洪水が発生しました。日本では、自然災害は昔から日常の一部でしたが、そこでも気候変動により、洪水や熱波によるリスクが高まっています。
こうした動向は、気候保護と気候変動への適応が別々の課題ではなく、すでに経済的な課題でもあることを明らかにしています。企業には、排出量を削減すると同時に、気候変動の影響に対する耐性を高めるソリューションが求められています。
まさにこの分野において、日独協力には大きな可能性が秘められています。ドイツと日本は、分散型再生可能エネルギーから水素、循環型経済、そしてレジリエントなインフラに至るまで、持続可能なソリューションの開発において、互いに補完し合う専門知識、革新的な技術、そして長年の経験を有しています。
今回のニュースレターも、こうした観点から、皆様にとって興味深い情報やヒントをお届けできれば幸いです。
代表取締役
ヨハンナ・シリング
経済ニュース
EUの研究・イノベーションプログラム「Horizon Europe」に日本正式参加
EU加盟国などと同等の条件で国際共同研究に参画し、今後、気候・エネルギー、デジタル、健康などの分野を中心に、日EU間の研究・イノベーションにおけるさらなるシナジーの創出が期待される。
ホライズン・ヨーロッパ(Horizon Europe)は、2021~2027年に総額935億ユーロの予算を有し、世界的な課題の解決、クリーン・デジタル移行の加速、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献、欧州の競争力と成長の強化を目的とするEUを代表する研究・イノベーション支援プログラムである。Horizon Europeが世界の主要なパートナー国や科学技術力を有する国々へ参加対象を広げる中、日本は2025年12月に欧州委員会との間で交渉を妥結した。これを受け、2026年1月からは移行措置により、日本の機関による柱2「グローバル課題解決・産業競争力」(Pillar II)の公募への応募が可能となった。
日本が参加するPillar IIは、524億ユーロの予算を有し、気候、エネルギー、健康、デジタル経済などの社会的課題に取り組む多国間の研究・イノベーションプロジェクトを支援する。日本政府は、この正式参加によって、国内の企業や大学、研究機関が欧州を中心とする国際共同研究に加わる機会が広がり、日本の科学技術力の向上にもつながるとみている。
こうした研究・イノベーション分野での日EUの連携は、長年にわたり築かれてきたものである。両者の協力関係は2011年の科学技術協力協定に始まり、近年では先端材料に関しる、電子技術、モビリティ、建設、エネルギー、データ駆動型科学などの分野で、双方の相互補完性やシナジーが模索されている。さらに、Pillar IIに加え、日本の参加者は第三国にも開放されている「Excellent Science」や「Innovative Europe」、博士課程教育や博士研究員の研修、国際研究協力を支援する「Marie Skłodowska-Curie Actions」にも引き続き参加できる。
今回のHorizon Europeへの参加は、これまでの日EU間の連携を踏まえ、「日EU戦略的パートナーシップ」における重要な一歩となった。正式署名に先立つ2026年6月の日EU首脳会談でも議題となり、高市首相は早期署名に向けた連携を呼びかけ、フォン・デア・ライエン欧州委員長は、双方の研究者間の交流を深めたいとの考えを示していた。今後は、デジタル移行、健康、気候中立を支える技術など、双方が共通して直面する世界的課題でのさらなる協力拡大が見込まれる。
(出典:2025年12月22日欧州委員会、2026年6月17日外務省、2026年7月30日欧州委員会、2026年7月30日外務省)
ドイツへの外国直接投資、2025年に50%増加
米国企業による投資が減少する一方、英国企業がその穴を埋めた。ドイツ経済研究所(IW)の分析によると、2025年の対独直接投資は前年から大幅に増加した。
ドイツへの外国直接投資は2025年に力強い回復を見せた。ドイツ連邦銀行のデータを基にドイツ経済研究所(IW)が実施した分析によると、外国企業による対独直接投資額は約860億ユーロに達し、前年を大きく上回った。2024年に約32%減少した後、再び回復基調に転じたことになる。単年の投資額は大型案件の影響を受けやすいものの、2015年から2024年までの中央値と比較しても約11%の増加となっている。
2025年は投資国の構成にも大きな変化が見られた。米国企業による投資額は118億ユーロと前年から約44%減少し、全体に占める割合も36%超から約14%へ低下した。一方で、英国からの投資は約260億ユーロと前年比約284%増加し、対独投資全体の約31%を占める最大の投資国となった。中国からの投資も約51%増加したが、投資額は1億9,900万ユーロにとどまり、全体に占める割合は0.2%程度であった。また、チリやサウジアラビアからの投資もそれぞれ40%以上増加している。
地域別では、欧州が引き続きドイツにとって最も重要な投資元である。ドイツを除くEU加盟国からの投資額は約430億ユーロに達し、外国直接投資全体の半分以上を占めた。さらに英国を加えると、ドイツへの外国直接投資の80%以上が欧州からの資本となる。今回の結果は、ドイツにとって最も緊密で安定した経済関係が依然として欧州域内にあることを示している。
(出典:2026年8月31日ドイツ経済研究所)
2026年上半期のドイツの輸出額
中国は2026年上半期もドイツ最大の貿易相手国の座を維持した。一方で、米国向け輸出は関税の影響を受けて減少し、中国からの輸入は引き続き増加している。
ドイツ連邦統計局によると、2026年上半期のドイツの輸出額は8,178億ユーロとなり、前年同期比3.9%増加した。一方、輸入額は7,121億ユーロで、前年同期比4.7%増加した。その結果、貿易収支は1,057億ユーロの黒字となったものの、前年同期(1,064億ユーロ)をわずかに下回った。
国別では、中国が輸出入総額1,255億ユーロとなり、引き続きドイツ最大の貿易相手国となった。2位は米国(1,237億ユーロ)、3位はオランダ(1,093億ユーロ)であった。輸出先としては米国が依然として最大であったが、輸出額は731億ユーロと前年同期比6.1%減少した。特に自動車および自動車部品の輸出は17.2%減少している。これに対し、フランス向け輸出は7.6%増、オランダ向け輸出は9.0%増となった。また、中国向け輸出は12.2%減少し、364億ユーロとなった。
輸入面では、中国からの輸入額が891億ユーロに達し、引き続き最大の輸入相手国となった。中国からの輸入は前年同期比8.8%増加し、米国からの輸入も7.0%増加している。その結果、中国との貿易赤字は前年同期の405億ユーロから527億ユーロへと大幅に拡大した。一方、対米貿易黒字は225億ユーロとなり、前年同期の305億ユーロから大きく縮小している。
品目別では、自動車・自動車部品が引き続きドイツ最大の輸出品目となったが、輸出額は5.8%減少した。一方、データ処理機器、電子・光学機器の輸出は9.5%増加し、ドイツの輸出構造にも変化が見られている。
(出典:2026年8月20日ドイツ連邦統計局)
環境ニュース
再生可能エネルギーが電力消費の58%を賄う
2026年上半期、ドイツの電力消費に占める再生可能エネルギーの割合が58%に達し、上半期として過去最高を記録した。特に風力発電が大きく伸び、太陽光発電も増加している。
バーデン=ヴュルテンベルク州太陽エネルギー・水素研究センター(ZSW)とドイツエネルギー・水道事業連盟(BDEW)の推計によると、2026年上半期におけるドイツの電力消費の58%が再生可能エネルギーによって賄われた。これは前年同期を約3ポイント上回る水準であり、上半期としては過去最高となる。なお、2025年通年の再生可能エネルギー比率は55.8%であった。
発電量の増加を牽引したのは風力発電と太陽光発電である。陸上風力発電は前年同期比7.0%増、洋上風力発電は28.3%増と大きく伸びた。太陽光発電も3.7%増加した。一方、降雨量の減少により水力発電は7.7%減少したが、バイオマス発電は0.6%増となった。
ZSWは、再生可能エネルギーの拡大がエネルギー価格の安定化にもつながると指摘する。再生可能エネルギーの割合が高まることで、化石燃料の輸入依存度が低下し、エネルギー価格の急激な変動に対する経済の耐性も強化されるという。また、再生可能エネルギーのさらなる導入は気候変動対策の重要な柱であり、電化による脱炭素効果を最大限に引き出すためにも不可欠であるとしている。
(出典:2026年7月1日南ドイツ新聞)
再エネ拡大と安定供給の両立へ、ドイツ初の容量市場を導入
2031年以降の電力供給を見据え、発電量だけでなく、必要な時に電力を供給できる能力そのものに対価を支払う新たな制度が始まる。
再生可能エネルギーへの移行を進めるドイツで、課題となる電力の安定供給を支える新たな仕組みが構築されている。ドイツ連邦議会は7月9日、2031年以降の供給力確保に向けた「電力供給安定・容量法」を可決した。ドイツで初となる容量市場が導入され、風力や太陽光の発電量が落ち込む局面に備え、発電所や蓄電設備、需要を柔軟に調整できる設備などを待機させる事業者に対しても対価が支払われる。これにより、2038年までの石炭火力発電からの撤退と再エネのさらなる拡大を進めながら、安定した電力供給との両立を図る。
これまで発電事業者の収益は、実際に発電・販売した電力量によって決まっていたが、電力システムの転換に伴い、こうした市場収益は今後さらに変動しやすくなるとみられている。そのため容量市場では、必要な時に電力を供給できる能力そのものにも対価を支払い、従来の市場収益だけでは難しかった新たな発電・蓄電設備などへの投資を促す。これにより、追加の供給力を整備する際の資金面の課題が緩和され、将来必要となる供給力への投資を後押しすることになりそうだ。
制度導入の初期段階では、風力や太陽光の発電量が数日間低下する「ダークドルドラム」にも対応できる長期供給力を持つ新規設備を対象に、2回のオークションで各4.5GW、計9GW(発電所約20基分)を調達する計画が示された。落札した設備には15年間にわたって稼働可能な状態を維持することが求められ、新設発電所には将来的な水素利用に対応できる「水素対応型」であることに加え、2045年以降は完全に気候中立な形で運転することが条件となっている。
(出典:2026年9月7日ドイツ連邦政府経済・エネルギー省)
カナダ産水素をドイツへ、独加企業がLOHC輸入ルート開発で覚書締結
欧州で水素需要の拡大が見込まれる中、北米からの安定的な調達に向けた動きが本格化。既存の港湾設備を生かせる液体有機水素キャリア(LOHC)の導入により、大規模輸送の実現性を高め、ヴィルヘルムスハーフェンを起点とした新たな水素供給体制の構築を目指す。
2026年5月19日にベルリンで、ニーダーザクセン州のグラント・ヘンドリック・トンネ経済・運輸・建設相の立ち会いのもと締結され、ヴィルヘルムスハーフェンを欧州の水素経済における戦略的拠点として発展させる上で重要な一歩となった。同港で液体バルクターミナルを運営するHESは、既存設備をLOHCによる水素の輸入・貯蔵・配送に活用することで、ドイツをはじめとする地域の産業用エネルギー供給の長期的な脱炭素化を目指している。HESインターナショナルは、欧州各地に展開するターミナルをエネルギー転換に生かす戦略を進めており、今回のノース・アトランティックとの提携により、その構想は大西洋をまたぐ水素供給網の構築へと具体化している。
経済・交通・建設相は、大西洋を横断する輸入網によって大量の気候中立な水素を安全かつ効率的に欧州へ供給する構想を評価し、「ヴィルヘルムスハーフェンでの実現は、同州がエネルギー拠点として持つ戦略的重要性を示すもの」と強調した。
こうした期待が集まるLOHCは、既存のインフラを活用して水素を液体の状態で安全に輸送・貯蔵できるため、欧州への大規模な水素輸入を支える有望な技術とされている。大型船が入港できる深水港と既存のエネルギーインフラを備えるヴィルヘルムスハーフェンにとって、その強みを生かし、欧州の水素輸入拠点としての役割をさらに広げる契機となった。
(出典:2026年5月19日HESインターナショナル)
EWEとザルツギッター、グリーン水素の長期供給契約を締結
ドイツのエネルギー企業EWEと鉄鋼大手ザルツギッターは、年間1万トンのグリーン水素供給に関する長期契約を締結した。
契約に基づき、EWEがエムデンで建設中の320MW級水電解設備で製造するグリーン水素を、2030年から年間約1万トン、ドイツの水素コアネットワークを通じてザルツギッターへ供給する。契約期間はまず7年間とされている。
供給されるグリーン水素は、ザルツギッターAGが推進する低炭素製鉄プロジェクト「SALCOS®(Salzgitter Low CO₂ Steelmaking)」で利用される予定である。同プロジェクトでは、従来の高炉法に代わり直接還元法を採用し、将来的にはグリーン水素を活用してCO₂排出量をほぼゼロに抑えた鉄鋼生産を目指している。今回の契約により、SALCOS®が必要とする水素需要の約6.5%が賄われる見込みである。また、ザルツギッターは製鉄所内に建設する100MW級の水電解設備を通じて、自社で年間約9,000トンの水素を生産する計画も進めている。
両社は今回の契約を、水素市場形成に向けた重要なマイルストーンと評価する一方で、グリーン水素の普及には依然として課題が多いと指摘している。特に、高い製造コストや規制面での不確実性、十分な投資環境の整備が求められている。ドイツ政府およびニーダーザクセン州は、本プロジェクトに対して大規模な支援を実施しており、水素を活用した産業の脱炭素化と欧州のエネルギー自立強化への期待が高まっている。
(出典:2026年6月9日Salzgitter AG、HZwei)
ドイツ初の水素配給網が本格運用を開始
ドイツ南部バイエルン州ホーエンヴァルトで、ドイツ初となる水素配給網「H2Dahoam」が本格運用を開始した。
既存のガス配管を活用し、複数の一般家庭と事業所に100%水素を供給するものである。本格運用に先立ち、研究・実証プロジェクト「H2Direkt」において、既存建築物への水素供給の技術的実現可能性が実環境で検証された。
Vaillant Deutschlandは、Energienetze BayernおよびEnergie Südbayernと技術パートナーとして本プロジェクトに参画。2026年5月には、実証段階で使用された試作型水素暖房機器が、100%水素対応の量産型ガス給湯・暖房機器「ecoTEC plus VC」に置き換えられ、本格運用へ移行した。現在は移動式トレーラーから水素を供給しているが、2027年以降は現地に電解槽を設置し、水素を直接製造する計画である。さらに、水素貯蔵設備の導入や配給網の段階的な拡張も予定されている。
(出典: 2026年6月15日HZwei)
リンゲン発のグリーン水素供給が始動
ドイツ北西部リンゲンで建設が進む大規模水電解設備が着実に前進している。
ニーダーザクセン州リンゲンでは、BPが建設を進める大規模グリーン水素製造設備向けに、全長30メートル・重量100トンの大型モジュールが搬入された。同施設では、サッカー場約5面分の敷地に水電解設備が整備される予定で、稼働後は年間最大11,000トンのグリーン水素を生産する計画である。ニーダーザクセン州では現在4件の大規模水電解プロジェクトが建設中であり、リンゲンはドイツ有数の水素拠点として期待を集めている。
<p一方、統合型水素プロジェクト「GET H2 Nukleus」では、RWEのリンゲン水電解設備で製造された再生可能水素が、約120キロメートルのパイプラインを通じて初めてノルトライン=ヴェストファーレン州マールの化学工業団地に到達した。これにより、水素の製造、輸送、利用という一連のバリューチェーンが実環境で機能することが確認された。
RWEは2026年末までにリンゲンで200MW、2027年以降には300MWの水電解能力を稼働させる計画である。さらに、今後は水素貯蔵設備や追加パイプラインも整備される予定で、GET H2プロジェクトはドイツ国内の水素コアネットワーク構築における重要なモデルケースとなっている。
(出典:2026年7月24日NDR、 2026年8月4日GET H2プレスリリース)
ハンブルク、水素産業ネットワークの中核インフラ建設を開始
ハンブルク市は、水素産業ネットワーク「HH-WIN」の中核となる施設「H2-Connector」の建設を開始した。
この施設は、Hamburg Green Hydrogen Hub(HGHH)の大型水電解設備、ドイツ全国の水素コアネットワーク、そして地域配給網「HH-WIN」を接続する中核拠点として機能する。運転開始は2027年秋に予定されている。
HH-WINは当初40キロメートル規模で整備され、ハンブルク港周辺の産業地域へ水素を供給する計画である。2031年までには総延長60キロメートルへ拡張される予定だ。また、H2-Connectorでは全国ネットワークとの圧力調整が行われ、水素の輸入・輸出の双方に対応できる設計となっている。将来的には、HGHHで製造されたグリーン水素をハンブルク域内だけでなく、他地域へ供給することも可能になる。
両国は今後、クリーンエネルギー分野への直接投資促進や産業の脱炭素化、水素から再生可能燃料(RFNBO)への転換などを支援する経済環境の整備を進める。また、バルト海地域における効率的なクリーンエネルギー市場の構築も視野に入れる。
事業総額は約2,260万ユーロで、その大部分はEUのIPCEI(Important Projects of Common European Interest)プログラムによる支援を受けている。ネットワーク運営事業者によると、HH-WINを通じて年間6.4TWh相当の天然ガスが気候中立的な水素に置き換われば、2032年以降、年間約140万トンのCO₂削減が可能になる見込みである。
(出典:2026年8月21日HZwei)
AIとデジタル製品パスポートが進化させるドイツのグリーン水素
欧州でも先進的なグリーン水素市場を持つドイツでは、AIを活用し、水素生産の効率性や信頼性、透明性を高める取り組みが進んでいる。
ドイツでは、水素市場の基盤整備とデジタル技術の活用が並行して進んでいる。産業需要家を結ぶ約9,700kmの水素パイプライン網が計画され、フランスの水素製造企業Lhyfeも接続に向けたプロジェクトを進めている。こうした政策、需要、インフラがそろいつつあることが、水素技術だけでなくAIを組み合わせた事業を展開しやすい環境につながった。
Lhyfeでは、AIを水素の生産・物流管理に取り入れ、膨大なデータを実際の運用判断につなげている。最高戦略責任者であるLuc Graré氏は、「気象データや風力発電の予測、顧客の需要をAIベースの予測モデルで分析し、各施設の運用判断に活用している」と述べた。天候によって変動する再生可能エネルギーの情報と顧客需要を一緒に分析することで、AIがコスト効率の高い施設運営を支える役割を担うようになった。さらに同社はスタートアップAtmenと、水素の再エネ由来電力、排出量、CO₂削減量を納入ごとに記録する「デジタル製品パスポート」の導入も進めており、AIの役割は生産効率化だけでなく、水素の環境価値をデータで可視化する領域にまで広がった。
さらにGraré氏は、「水素事業者や購入者がサプライチェーン全体をデジタルで把握し、報告義務を果たすためのツールへの需要は今後着実に拡大する」との見通しを示し、特に海外のAIソリューション企業にとって新たな市場が生まれていると指摘した。厳格な規制への対応は参入時の条件となる一方、それに対応できる技術を持つ企業にとっては、顧客からの信頼を獲得し、市場で競争力を高める強みにもなっている。
(出典:2026年7月28日ドイツ貿易・投資振興機関)
【新コーナー】旅のすすめ
まだ広く知られていない、ドイツ各地のとっておきの場所をご紹介。次の旅先にしたくなるような、知られざる魅力をお届けします。
知る人ぞ知る、テューリンゲンの古城
「城と宮殿の地」として知られるテューリンゲン州。今回は、歴史や文化を楽しめる3つの城をご紹介します。
ドイツ史を刻んだ世界遺産・ヴァルトブルク城
テューリンゲンの森を望む山上にそびえるヴァルトブルク城は、約1000年にわたりドイツ史の重要な舞台となってきた世界遺産です。宗教改革者マルティン・ルターが新約聖書をドイツ語に翻訳した「ルターの部屋」や、美しいモザイクで彩られた祝宴大広間などを見学できます。
(出典:ヴァルトブルク城公式サイト)
800年の古城に広がる磁器の世界・ロイヒテンブルク城
約800年の歴史を持つロイヒテンブルク城では、城の歴史とともに、テューリンゲンの磁器文化を紹介する展示を楽しめます。高さ約8メートルの世界最大の磁器製花瓶や、願いを書いた磁器を投げて割る「願いの橋」など、「白い金」と呼ばれる磁器をさまざまな形で体験できるのが大きな魅力です。さらに、城内ではテューリンゲン料理を味わえるほか、季節ごとにさまざまなイベントも開かれています。
(出典:ロイヒテンブルク城公式サイト)
17世紀の舞台が今も動く・フリーデンシュタイン城
三十年戦争のさなか、1643年から1654年にかけて建てられたドイツ最大の初期バロック様式の宮殿建築。戦争による破壊を免れ、現在も世界最古級のバロック劇場や古典主義様式の歴史的な部屋が残されています。城内のエクホーフ劇場では、17世紀の舞台装置が今も実際に動き、わずか8秒で舞台背景を切り替えられるほか、風や雷を再現する仕組みがされています。
(出典:フリーデンシュタイン城公式サイト)
イベント案内
2026年11月17日(火)日本時間17:30~18:30
EU-Japan Centreウェビナー「Carbon Capture and Storage (CCS) Technologies in Japan (日本のCCS技術と市場動向)」
ECOS GmbHの技術専門家ペーター・ベック氏が、EU-Japan Centre for Industrial Cooperation主催のウェビナーにおいて、日本のCCUS市場について解説します。
主な内容
- 日本のCCS・CCUS政策、目標および市場成長の要因
- 法規制の枠組みおよび政府支援制度
- 主要技術、商業プロジェクトおよび今後の需要動向
- 主要プレーヤー、関連産業およびCCUSバリューチェーン
- 欧州中小企業向けの市場機会、市場参入時の課題および実践的な提言
本ウェビナーは、ベック氏が執筆したレポート 「Carbon Capture and Storage (CCS) Technologies in Japan」 をもとに構成されています。同レポートでは、日本におけるCCS技術、進行中のプロジェクト、規制環境、そして欧州企業にとっての市場機会と課題について包括的に解説しています。
ウェビナーの詳細・お申込みはこちらから。
2026年12月1日(火)日本時間17:30~18:30
EU-Japan Centreウェビナー「Waste Management and Recycling in Japan(日本の廃棄物管理・リサイクル市場)」
ECOS GmbHの技術専門家マルティン・フォルクマー氏が、EU-Japan Centre for Industrial Cooperation主催のウェビナーにおいて、日本の廃棄物管理、リサイクルおよびサーキュラーエコノミー市場について解説します。本ウェビナーは特に、有機性廃棄物、プラスチック、建設廃棄物、有害廃棄物、電気・電子機器廃棄物、および金属・鉄鋼リサイクル分野に焦点を当てています。
主な内容
- 日本の政策・規制の枠組みとサーキュラーエコノミーへの移行
- 市場規模、廃棄物フロー、処理方法およびリサイクル実績
- 主要6分野における技術・市場動向
- 主要ステークホルダー、顧客、市場構造および流通チャンネル
- 欧州中小企業向けのビジネス機会、市場参入時の課題および成功要因
ウェビナー詳細・参加登録はこちらから。
EU Business Hub@Smart Energy Week Spring
EU Business Hubは、2027年3月22日から26日にかけて開催される「Smart Energy Week Spring 2027」に合わせて、再生可能エネルギー分野の欧州企業を対象としたビジネスミッションを東京で実施します。中小企業(SMEs)やスタートアップ企業にとって、日本市場で自社の技術を紹介し、新たなビジネスパートナーとの関係構築を図る絶好の機会となります。
本ミッションでは、最大50社の欧州企業が展示会場内のEUパビリオンへの出展機会を得られます。展示に加え、ネットワーキング、専門家による講演、日本のエネルギー市場に関する情報提供など、多彩なプログラムが用意されています。また、参加企業には商談の機会を得るための支援に加え、言語面および異文化面でのサポートも提供されます。応募締切は2026年11月27日です。詳細はこちらから。